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句集「鵙」(2) 10月7日・土・2996年
亡父の句集「鵙」には鵙の句 が多い。庭の西南隅に小さい笹藪があった。そこに鵙が年中住みついていた。その生態を丹念に写生したものとわかる。鵙は俳句では秋の季題とされている。秋は繁殖を終わって専ら冬の食料確保の時季である。そこで自分の縄張り宣言の高鳴きをするのである。鵙咆ける(たける)と言へるのではないか.おなじみの高鳴きである。亡父の場合は鵙の年中を写生している。列挙しよう。「巣立つ子の囀る鵙となりにけり」「春雨に争うごとき番い鵙」「春愁はかの鵙鳥の囀りに」「巣作りに鵙美しき毛羽持てり」「鵙鳴くや石蕗花を上ぐるとき」「猛る鵙水に影して高枝より」「大寒の鵙藪中に枝うつり」
句集「鵙」の絵は亡父と同郷の北川画伯の作品だがわざわざ鵙を探しての写生だとその苦心談を覚えている。見開きの絵は郷里兼六園の日和山である。。句集「鵙」の命名は選者の伊藤氏であったと思う。
余白がある。懐かしい句を列記する。「たんたんと餅つく兄を見て弟」「ビール飲むや庵の峡庭に山河有り」「語激して電話きりたりちちろ虫」いずれも亡父の生活を思い出す懐かしい俳句である。
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